エクオールは、ヒトの体内において女性ホルモン(女性の美しさや若々しさを手助けしてくれる)ような働きをしてくれます。
エクオールを食品から体内に取り込むには、大豆や大豆食品に多く含まれる大豆イソフラボンを取り入れる事からはじまります。
そして、この大豆イソフラボンの中に含まれる『ダイゼイン』が腸内の乳酸菌の働きによって、『エクオール』に生まれ変わり、腸から体内に吸収される仕組みになっております。
※ただ、ダイゼインからエクオールを作る事が出来きない人も多く存在致します。
※大豆イソフラボンは化学物質の総称であり、ゲニステインやグリシテインという物質も含まれます。
つまり、エクオールそのものが大豆に含まれているわけではありません。
エクオールは、女性ホルモンのエストロゲンに似ている働きをすることから、『更年期の救世主』、『スーパーイソフラボン』とも呼ばれています。
さて、このエクオールにはどんな効果が隠されているのでしょうか?
現在エクオールには以下のような効果があることが分かっています。
・エストロゲン様作用:女性ホルモンのエストロゲンに似た作用 ⇒更年期症状の緩和。メタボリックシンドロームの予防。骨粗しょう症の予防・改善。
・抗エストロゲン作用:エストロゲンの作用を妨害する ⇒乳がんの予防
・抗アンドロゲン作用:男性ホルモンのアンドロゲンの作用を妨害する ⇒前立腺がんの予防・改善。
・抗酸化作用:体内で増えた活性酸素を減らす。 ⇒老化、皮膚老化、がん、血管内皮機能(血管の収縮・弛緩)を安定させることによる生活習慣病の予防
イソフラボン、エクオール、と聞くと、女性ホルモンへの作用が注目されがちですが、実は男性にも効果があるのですね!
また、エストロゲン作用もありながら抗エストロゲン作用もあるという事は…つまりホルモンのバランスを整えてくれるという事です。
乳がんはエストロゲンの影響を受けて増殖するので、エストロゲンの過剰作用を懸念して大豆や大豆食品の過剰摂取を控えるようにと言われていますが、エクオールは問題がないわけです。
エクオールをつくれる人とつくれない人の違いは、エクオールをつくる腸内細菌を体内に持っているかいないか、です。
ただ、ご安心ください!持っている100:持っていない0の二つに一つではありません。
全くもっていないゼロなのかどうかを現在調べることはできないため、「つくれない人」を特定することはできません。しかし、「つくれていない人」を「つくれる人」に変える方法はあります。エクオールがつくれる腸内細菌を活発に育てる方法です。
名古屋大学発のベンチャー企業として知られる「株式会社ヘルスケアシステムズ」が開発・販売する、エクオール輸送検査キットをご存知でしょうか?
その名も「ソイチェック」といい、エクオールがどのくらい体内で作られているかを尿検査で簡単に調べることができるのです。
ただし、エクオールが全く作られていないのかどうか、エクオールをつくっている産生菌の種類などはこの検査では分かりません。
また書かれている数値は今後の研究や統計により変化しますので、これらをご留意の上検査してみてはいかがでしょうか?
参照:https://karadacheck.com
2018年6月現在
ソイチェックでは、レベル1~レベル5を設定し、
レベル1~2:エクオールをつくれていない人(全体の56%)
レベル3~5:エクオールをつくれている人(全体の44%)
としています。
たとえ検査でレベル1、2の判定が出たとしても、エクオールを「つくれない人」、と太鼓判を押されたわけではありません。 事実、レベル1の人が毎日納豆を食べて、1年半後の検査で、なんとレベル5を出した例もあるのです! https://karadacheck.com/column/vol01/
エクオールをつくれている人は毎日・・・
大豆製品を摂取している
睡眠時間を8時間以上摂っている
食物繊維を取っている
運動している
タバコを吸わない
参照:https://hc-sys.com/project/equol/、 大豆由来の新規成分“エクオール”の最新知見 https://agriknowledge.affrc.go.jp/api-agrknldg/media/pdf/show/id/2010892868
体内でエクオールがつくれる人は日本国内においては約50%といわれています。
エクオールが作れる腸内環境にするには、食物繊維や海藻、大豆などの摂取が必要なのですが、食生活の変化により若年層ほどエクオールを産生できなくなっているようです。
20代だと作れる人は20%ほどだという報告もあます。
国内の地域別では関東が一番多く、次いで九州、中部、関西、となっています。
納豆が関西よりも関東地域において受け入れられていることも理由の一つにありそうです。
国別でみると、アジア系は50%以上であるのに対し、欧米は20~30%。
大豆発酵食品を食べる習慣がない国ほど数値が低いのが分かります。
不思議なことに、マウスやラット、ヤギ、羊、鶏、牛などの動物においていずれも100%がエクオールを作る能力を持っています。なぜヒトは100%ではないのでしょうか?
性別や遺伝は関係ないようですが、例えばコアラの赤ちゃんは生まれるとすぐに免疫力を高めるためにお母さんコアラの糞便を食べて腸内細菌を摂取します。
動物は、コアラのような生態上の習慣を持っていなくとも、母親の持つ腸内細菌を出生時に100%受け継ぎやすい環境なのかもしれません。
ヒトにおいて、最近の研究で進められていることは、つくれる人の腸内細菌をつくれない人に摂取させるという考え方です。
極端に言うと、前述のコアラの赤ちゃんのようなことで、ヒトの場合はもちろんさすがにヒトの糞便を口から入れることはできませんが、作れる人の糞便からエクオールを産生する細菌だけを取り出して移植するという方法。
ヒトの腸内フローラは個人差が大きいため、移植の方法や、定着率、腸内細菌の種類と改善される問題の相関性など、まだ解明されていない部分は多いものの今後の研究進展に期待したいですね。
エクオールが発見されたのは1932年のこと。今から80年以上も前のことなんです。
当初は牝馬の尿から採取されたとのことですが、その成分の隠されたパワーを発見し、研究に研究を重ね、サプリメントとして実現したのは、なんと我が日本の大塚製薬でした。
WHOや国が推進する国際共同研究の支援を1985年より始めた、民間企業で国内第一号の大塚製薬は、大豆の研究を行っていました。
そんな中でエクオールの可能性に着目した研究チームは1996年より本格始動しました。
エクオールをつくれる人の身体から検体を採取し、イタリア製チーズに存在する菌と同種の安全性が証明できる乳酸菌「ラクトコッカス20-92株」を発見。大豆胚芽を直接乳酸菌発酵させることにより、18年の歳月をかけてエクオールサプリメントを完成させたのです。
現在ではエクオールをつくれる腸内細菌は約20種類、15株が確認されていますが、酸素の元では生育できない菌がほとんどのため、ラクトコッカス20-92株を用いて作られた大豆胚芽乳酸菌発酵食品「SE5-OH」の活用はさらに広がりを見せることでしょう。
前述の通り、ラクトコッカス20-92株は食品としての安全性が完全に認められた乳酸菌です。よって副作用の心配はありません。
サプリメントを摂取し効果を最大限に得るには、「つくれていない人がつくれている人になった理由」にも記載の通り、
以上を守っていただく事で、自身のエクオール値を上げることに期待ができるでしょう。
腸内細菌の集合体、腸内フローラはヒトの体の細胞よりも多いといいますので、エクオール値はすぐには上昇しません。年に1回でも良いので、自分でできる健康診断を行い、1年かけて目標に向かって前進してみてはいかがでしょうか?