体内の鉄分を調節する「フェリチン鉄」の効果

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体内の鉄分を調節する
「フェリチン鉄」の効果

フェリチン(FER)とは、体内のあらゆるところに存在し鉄分を貯蔵する事が出来る巨大な「鉄貯蔵タンパク質」をさします。
鉄分が貯蔵される前はアポフェリチンといい、球形のアポフェリチンの中に鉄分が貯蔵されるとフェリチン(フェリチン鉄)となります。本来有害である鉄分はフェリチンと結合する事で無毒化されています。


フェリチンは血液中にも含まれますが、主に脊髄、肝臓(肝細胞)、脾臓に多く存在します。また腸管にも不要な鉄分を体内に吸収しないように腸内で鉄分を捕まえておく粘膜フェリチンなども存在します。

フェリチンは体内に過剰に吸収された鉄分を捕まえ、鉄分不足に備えて内部に貯蔵してくれる役割があります。つまり、体内の鉄分濃度を適切に調節する重要な働きをしています。
フェリチン鉄の効果
血液中に過剰な鉄分が流れ出すと、”フェリチン”は鉄分を吸収し”フェリチン鉄”として細胞内に鉄分を蓄積します。逆に、体が鉄分不足になると”フェリチン”は鉄分を血液中に戻します。血液中に戻された鉄分はトランスフェリンというタンパクと結合し骨髄に運ばれます。つまり、一時的な鉄分不足でも骨髄はヘモグロビン(赤血球)の産生に必要な鉄分を貯蔵鉄(フェリチン鉄)から補い利用することが出来るのです。
通常、食事から摂取した鉄分はほぼ血液中で使われ、尿としても排出されるため、十分な鉄分を摂取しないとフェリチン鉄として体内には貯蔵されません。

※ 鉄分が蓄積されていない状態をアポフェリチン、鉄分を蓄積した状態をフェリチンといいます。分かりやすいように今回は鉄分を内包したフェリチンをフェリチン鉄と説明します。
フェリチン鉄として
摂取する利点
ヘム鉄(Fe2+)、非ヘム鉄(Fe3+)と並び第三の鉄分とされるフェリチン鉄。
大豆の鉄分はフェリチン鉄の状態で存在する事が確認されています。 その為、この第三の鉄分であるフェリチン鉄をそのままサプリメントとして摂取する方法が考えられました。
ヘム鉄ではなく、タンパク質でカプセル化したフェリチン鉄のまま摂取するとどういった効果があるのでしょうか。

鉄分は魚や肉などに含まれ比較的吸収率がよいとされる「ヘム鉄」と、植物系の食品などに含まれ吸収しにくいとされる「非ヘム鉄」の2種類に分けられます。
これらヘム鉄・非ヘム鉄は鉄分として体内に吸収する際に活性酸素を発生させる為、少なからず細胞へのダメージを伴うとされています。活性酸素とは特に酸化しやすい酸素の事であり、鉄は酸素と結びつきやすいという点を考えると避けられない事です。

しかし、最初からタンパク質で覆われたフェリチン鉄を摂取する場合は、活性酸素やフリーラジカル反応(酸化)での細胞ダメージを引き起こさないとされています。しかも、ヘム鉄並の吸収率があります。

つまりフェリチン鉄として吸収する場合は、ヘム鉄を吸収する際に発生する独特な胃のムカつきや胃腸障害も少ないという事です。このあたりの作用は女性とっては嬉しい部分ではないでしょうか。
ただし、フェリチン鉄としてそのまま吸収することで、体内に働くフェリチンと結合しやすいとか、細胞内にそのままフェリチン鉄として蓄積されるかどうかは明らかではありません。

それでも通常の鉄分と同様に体内で有益に働くことは間違いないでしょう。鉄分としての働きに変わりはありません。
フェリチン鉄の注意
フェリチン鉄をサプリメントとして摂取する場合には、鉄分の含有量に注目しましょう。

稀に、フェリチン鉄の含有量のみが明記されており、これが鉄分の含有量と勘違いするケースがあります。フェリチン鉄はタンパク質と結合しているため、記載されていない場合は実際の鉄分を計算する必要があります。
鉄分は
どれだけ取ればいいのか?
厚生労働省の資料によると、成人女性では6.5mg/日以上、成人男性では7~7.5mg/日以上の鉄分の摂取が必要とされています。

例えば、100gあたりでヘム鉄を多く含む食品として牛レバーで約4mg、豚レバーだと約13mgですが、牛肉だと約2.8mgとごく少量です。そこから吸収率が10~30%と考えると6mg以上摂取するにはバランスの整った量を毎日規則正しく食べる必要があります。

つまり、不規則な食生活では鉄不足が発生するという事です。女性は特に月経も重なり貧血気味の方も多いと思います。人の鉄欠乏状態の割合を考えると、地球上でもっとも頻度の高い栄養障害という事になります。

鉄は血液中に存在し細胞中に酸素を届ける重要な成分「ヘモグロビン」の産生には欠かせない成分です。当然ですがヘモグロビン不足だと貧血が発生し、動悸やめまい、不眠、頭痛へと繋がりますので健康的な毎日を送ることは難しくなります。
現在は血液検査によって血液中の血清(固形部分を除いた血液の液体部分)に含まれる鉄分(血清鉄)の数値やフェリチン鉄(貯蔵鉄)の量がわかる血清フェリチン値を図る事が可能です。

鉄分によって作られるヘモグロビンの量が正常であっても、血液中に含まれる鉄分(血清鉄)の数値が低かったり、ましてやフェリチン鉄の数値が低いと将来的な鉄不足による貧血や栄養障害が考えられますので注意すべきです。
鉄分の過剰摂取による
副作用
もちろん、鉄分は摂りすぎるとよくありません。胃腸障害や、疲れ、関節の痛みをなどを伴うこともあります。ましてや鉄過敏症など重症化すれば肝臓にも障害が発生します。

しかし、健康に毎日の生活を送っている成人の男女の場合、通常の食生活において鉄分を取りすぎるという事は考えにくいと思います。仮に一時的に取りすぎても体内にあるフェリチンが鉄分を吸収・貯蔵し、適切な状態を保ってくれます。

厚生労働省の資料によると、鉄分の摂取量は成人男性では1日に約50mg、女性だと約40mgが上限とされています。しかし、女性の場合月経がありますので、生理中は通常の食生活だけでは鉄分不足が生じる可能性は考えられます。

一概には言えませんが、特に集中力が低下していたり、食欲不振、頭痛、貧血などの症状を感じる方は鉄分不足を疑ってみましょう。特に女性の方は必要に応じてサプリメントなどで効率良く鉄分を補うとよいでしょう。
参考文献
https://www.a2-pro.co.jp/products/ferritin
https://www.sysmex.co.jp/products_solutions/library/journal/vol5_no2/bfvlfm000000dtk8-att/vol5_2_03.pdf
https://jaclap.org/guests/common_no403/
https://www.kyorin-pharm.co.jp/prodinfo/useful/doctorsalon/upload_docs/170361-1-05.pdf
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0529-4aq.pdf
著者:大名町スキンクリニック 院長 橋本 慎太郎
金沢大学医学部卒、美容皮膚科クリニックを運営
https://m-beauty.jp/about/dr.html

参考文献やインターネット上にあるエビデンスやメーカー情報を元に分かりやすくまとめたものになります。参考になれば幸いです。
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