ナイアシンアミド
「肌荒れ、シワ改善、美白効果」が期待できると話題の成分。
ナイアシンアミド
「肌荒れ、シワ改善、美白効果」が期待できると話題の成分。
01「ナイアシンアミド」とは?
■化粧品成分表示名称
ナイアシンアミド
■医薬部外品表示名称
ニコチン酸アミド
ナイアシンアミド
(※シワ改善有効成分として配合の場合のみ)
ナイアシンアミドは、エネルギー産生や脂質・アミノ酸の代謝に関わっている水溶性のビタミンB3であり、美容や健康への効果が期待できる栄養素「ナイアシン」の一種です。
ナイアシンとは「ニコチン酸」と「ニコチン酸アミド」の総称。
ナイアシンという名称は、ニコチン酸がタバコに含まれる有害物質「ニコチン」と誤解されるのを避けるために名付けられました。
ニコチン酸に害はありません。
02「食べ物」から摂り入れるには
ナイアシンは、魚介類、肉類、きのこ類、穀類に多く含まれています。
また、酵母、牛乳、緑黄色野菜、豆類など幅広い食べ物にも含まれています。
食事から摂取されるほか、体内でも合成※1されます。
※1 ビタミンB1、B2、B6存在下で、必須アミノ酸のトリプトファンから合成されます。
【1日の摂取目安量】
男性
15mgNE ※2
女性
12mgNE ※2
例)30歳~49歳の場合
※2 NE=ナイアシン当量
(Niacin equivalents)
ナイアシンは食品からの摂取以外に、体内でもアミノ酸の一種であるトリプトファンからも生成されるため、合算値をナイアシン当量(mgNE)としています。
トリプトファン60mgがナイアシン1mgに相当します。
ナイアシン当量(mgNE)=
ナイアシン(mg)+1/60 トリプトファン(mg)
トリプトファン量が未知の場合はたんぱく質の1%をトリプトファンとみなし、下記の式になります。
ナイアシン当量(mgNE)=
ナイアシン(mg) + たんぱく質(g) × 1000 ×1/100 × 1/60(mg)
「日本食品標準成分表(2020年版)」より
【補足】
ナイアシンが欠乏するとペラグラ(pellagra)という欠乏症の病気になることが知られています。
主な症状には、赤い発疹ができる皮膚症状、口舌炎や下痢などの消化管症状、神経障害などがあげられます。
ペラグラはとうもろこしを主食とした中南米などの地域で見られましたが、
日本で通常の食生活をしている場合は不足する心配はほとんどないと言われています。
「ナイアシンアミド※1」
15%配合美容液
03「体内」での働き
ナイアシンは、「皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素」として栄養機能食品※にも利用されています。
※ 栄養機能食品とは特定の栄養成分の補給のために利用される食品で、栄養成分の機能を表示するものをいいます。
糖質や脂質、タンパク質などの三大栄養素の体内での酵素反応を助ける"補酵素"の働きがあり、酵素反応の約2割(400種類以上)に関わっています。
例えばアルコールの分解や、分解後に生じるアセトアルデヒドという二日酔いを起こす成分の分解を助ける補酵素の働きもあります。
他にも循環系、消化器系、神経系の働きを助ける働きがあります。
しかし、ナイアシンアミドは食事やサプリから摂り入れた場合、そのほとんどが健康を維持するために使われます。
美容のためにはスキンケアとして肌からも取り入れることがおすすめです。
04「美容」のために
ナイアシンアミドは美容に良いことでも注目されています。
ナイアシンアミドは古くから化粧品または医薬部外品に配合されてきました。
万能なのに刺激性が少なく、扱いやすいことが特徴です。
主な美容効果としては
こちらの5つが上げられます。
紫外線を吸収したDNAを修復する酵素反応に関わっています。
シミの元となるメラニンの生成を抑えることで、シミやそばかすを防ぎます。
皮脂分泌の正常化で毛穴のつまりを軽減し、適切な水分量を保つことでニキビを予防します。
05「有効成分」として
ナイアシンアミドは肌荒れ、シワ改善、美白の3つの有効成分として厚生労働省から医薬部外品の承認を得ている化粧品成分です。
肌荒れ対策の医薬部外品の有効成分として承認を得ています。
セラミドの前駆体であるグルコシルセラミド、スフィンゴミエリンの生成、およびセラミド合成促進による”バリア機能改善作用”があります。
「シミ・そばかす」を防ぐしくみ
「シワ」を防ぐしくみ
ナイアシンアミドは肌荒れ対策や美白ケアの医薬部外品の有効成分としての認可を得ていましたが、2018年(推定)に「シワ改善」として認められたことで一気に注目を浴びることとなりました。
06「化粧品」を選ぶポイント
ナイアシンアミドが配合された化粧品は、どのように選ぶと良いのでしょう。
まずは、大きく2つに分けて「医薬部外品」と「化粧品」に分類されます。
ナイアシンアミドを医薬部外品として使う場合は、厚生労働省が強化した濃度内で配合すると決められています。
敏感肌の方や無難にケアしたい方は、最初は医薬部外品をおすすめします。
一方、ナイアシンアミドを化粧品として使用する場合は、有効成分として記載することはできませんが濃度の規定はありません。
そのため、化粧品であれば高濃度での配合が可能になります。
医薬部外品と化粧品の違い
ナイアシンアミドの量
こんな方におすすめ
「ナイアシンアミド※1」
15%配合美容液
07「まとめ」
化粧品選びにおいては、美白、シワ、ニキビ、乾燥など、何か1つを優先させて他のケアを諦めなければいけないものが多い中で、マルチな効果が期待できるナイアシンアミドはとても優秀と言えるでしょう。
また、同じくシワ改善に効くレチノールや、美白に効くビタミンCと比べて、肌への刺激が少ない※という特徴もあります。
以前から多くのスキンケア製品に配合されてきたナイアシンアミド。
敏感肌の方にも取り入れやすく、より高い効果を期待するなら高濃度配合の化粧品に
ステップアップしてみてはいかがでしょうか。
※すべての方に刺激がないわけではありません